【第15回】検索で見つけてもらう仕組み|SEO(嫁子が教えるマーケ講座)

今回のゴール

第14回でチャネルを整理しました。今回はその中で一番大きい検索です。全体の流れは講座の目次へ。


嫁子: 先に言っておくとね、SEOは時間がかかるし、確実でもないの。

それでも扱うのは、うちの流入で一番大きいからだよ。ただし「今月の数字を上げる」手段ではないからね。そこは第16回の広告のほう。


1. 何が起きているのか

検索結果に出るまでに、3つの段階があります。

段階 何が起きるか 止まると
見つけてもらう 検索エンジンがページを回って集める そもそも存在しないのと同じ
登録される 集めたページが検索の索引に入る 検索しても出てこない
順位がつく 検索語との関係で並び順が決まる 出るが下のほうで見られない

「順位が上がらない」と言われたとき、実際にはまだ登録されていないということがあります。順位の話をする前に、そもそも索引に入っているかを確認してください。

Google Search Console という無料の道具で、自社のページが登録されているか見られます。最初にやるのはこの確認です。


2. 順位を決めているもの

細かい要素は数百あると言われていますが、担当者として押さえるのは3つで足ります。

ひとつは、検索した人の意図に合っているかです。「換気扇 掃除 方法」と打った人が知りたいのは掃除のやり方で、業者の料金表ではありません。合っていないページは、どれだけ丁寧に作っても上がりません。

次に、他のページより良く答えているか。同じ質問に答えているページが100本あるなら、その中で比べられます。

最後に、技術的に読める状態か。表示が遅い、スマホで崩れる、といった問題があると不利になります。

1番目が圧倒的に大事です。中身が検索意図とずれていると、他の2つを完璧にしても届きません。


3. 誰も打っていない言葉で待たない

ここが今回いちばん実務的なところです。

うちが最初に作った記事の見出しは「ハウスクリーニングのトータルソリューション」でした。3か月たっても、検索結果に1回も表示されませんでした。

原因は単純で、そんな言葉を誰も検索していないからです。

社内で使っている言葉と、お客さんが打つ言葉は違います。社内では「トータルソリューション」でも、お客さんは「換気扇 掃除 業者 料金」と打ちます。

確かめ方

検索窓に言葉を入れると、続きの候補が出ます。これが実際に打たれている言葉です。

この確認を、記事を書く前に必ずやってください。書いてから気づくと、3か月が消えます。

もう1つの罠

同じ言葉が別の業界でも使われていないかを見ます。

候補を見ていて、自分の業界と関係ない言葉が並んでいたら要注意です。その言葉で上位に来るのは別の業界のページで、こちらが入り込む余地はほとんどありません。

嫁子: 私が打つ言葉って、たぶん会社の人が思ってるより雑だよ。

「換気扇 油 取れない」とか、それくらい。正式名称なんて知らないもん。お客さんは商品名じゃなくて、困りごとで検索するんだよ。


4. 書くべきものは、売り込みではない

第6回で「調べている人に売り込まない」と書きました。検索はこれが最もはっきり出る場所です。

「換気扇 掃除 方法」で検索している人は、まだ業者を探していません。ここに料金表を出しても読まれません。

うちで効いたのは、自分で掃除する手順を丁寧に書いた記事でした。

一見すると損に見えます。自分でやられたら仕事が減るからです。ただ実際には、第6回で書いた通り、大半の人は自分でやって落ちずに止まります。そのときに思い出してもらえるかどうかが分かれ目です。

記事の最後に「落ちなかった場合はこちら」と一行置いておく。それだけで十分です。


5. AIに記事を書かせるとき

一番よく聞かれるところだと思います。答えははっきりしています。

下書きは書かせていい。そのまま出すのはやめたほうがいい。

理由は2つあります。

ひとつは中身が薄くなることです。第13回で見た通り、AIは一般論を一般論のまま返します。同じことが書かれたページが100本ある中で、101本目を足しても順位はつきません。

もうひとつは事実を作ることです。はじめにの②です。SEO記事に出典のない数字や、存在しない制度が混ざると、後から会社の信用問題になります。

現実的な使い方はこうです。

任せていい 自分でやる
構成案を出す 検索する言葉を決める
下書きを書く 自社の事実と手順を足す
分かりにくい文を直す 数字と固有名詞を確認する
見出しの案を複数出す 公開の判断

AIが書けるのは、すでにどこかに書いてあることだけです。差がつくのは、自社にしかない部分を足せるかになります。

うちの記事で言えば、実際の作業手順、失敗しやすい箇所、使っている洗剤の種類。ここは社内にしかありません。


6. 時間の見積もり

上司に聞かれたとき、正直に答えるべきところです。

まず数か月かかります。記事を出してから登録され、順位がつき、動き始めるまでに時間が必要です。

そして確実でもありません。順位は他社との比較で決まるので、自分が良くしても相手がもっと良くすれば下がります。

だから第14回で書いた予算配分では、検索だけに賭けないでください。今月の数字が必要なら、次回の広告のほうが向いています。


つまずきポイント

順位より先に、登録されているかを確認。 出ていないのではなく、入っていないことがあります。

記事数を目標にしないでください。「月10本」を目標にすると、誰も打たない言葉の記事が10本増えます。

古い記事を放置しないこと。数字や制度が変わっていると、間違った情報を出し続けることになります。


今回のまとめ


次にやること

次回はお金で流入を買うということです。時間がかかる検索に対して、すぐ結果が出る代わりに金がかかるほうを扱います。

今回の宿題:自社が狙っている検索語を1つ選んで、検索窓に入れて候補が出るか確かめてください。1つも出なければ、その言葉は誰も打っていません。

嫁子: 今日の3節、あれが一番大事だと思う。

会社の中で使ってる言葉って、外の人には通じないことが多いの。「トータルソリューション」で検索する人、いないよ。

私が打つのは「換気扇 油 取れない」だからね。そこを合わせるだけで、だいぶ違うと思う。